個別の教育支援計画・個別の指導計画の書き方と活用法

特別支援教育において、「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」は、一人ひとりの子どもへの支援を体系的に記録・共有するための重要な文書です。この2つは混同されやすいですが、目的・作成者・活用場面がそれぞれ異なります。本記事では、2つの計画の違いと、現場で役立つ書き方・活用のポイントを解説します。

2つの計画の違い

まず、「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」の基本的な違いを整理しておきましょう。

個別の教育支援計画と個別の指導計画の比較

  • 個別の教育支援計画:長期的・福祉的な視点で、学校・家庭・医療・福祉等が連携して支援するための計画。卒業後の生活も見据えた内容を含む。
  • 個別の指導計画:授業や学校生活における具体的な指導目標・内容・方法を記した計画。学期・学年単位で作成・見直しを行う。

個別の教育支援計画の書き方

記載する主な内容

作成のポイント

個別の教育支援計画を作成する際の最重要事項は、本人と保護者の参加です。支援者が一方的に作成するのではなく、「どんな生活をしたいか」「何が困っているか」を本人や保護者の言葉で聞き取り、計画に反映することが大切です。

また、専門用語を避け、保護者や本人が読んでわかる言葉で書くことも重要です。計画書は本人・保護者にも渡す文書であり、関係者全員が共通の認識を持つためのツールです。

個別の指導計画の書き方

記載する主な内容

目標の書き方:SMARTの原則

個別の指導計画の目標は、曖昧にならないよう具体的に書くことが重要です。よく使われる指針として「SMART」があります。

目標の書き方の例

❌ 曖昧な目標:「漢字の読み書きができるようになる」
✅ 具体的な目標:「3学期末までに、3年生で習う漢字のうち、ふりがななしで読める漢字が30字以上になる」

実態把握の重要性

指導計画の土台となるのが「実態把握」です。子どもの現在の状態を正確に把握せずに目標を設定しても、高すぎたり低すぎたりして機能しません。実態把握には、日常の観察記録・各種検査の結果(知能検査・読み書き検査など)・保護者からの情報・本人の自己評価などを組み合わせます。

ポイント:実態把握では「できないこと」だけでなく「できること・得意なこと」を必ず記載しましょう。強みを活かした支援設計につながります。

計画を「生きた文書」にするために

作成した計画が引き出しにしまわれたままでは意味がありません。計画を実際の支援に活かすためのポイントを紹介します。

関係者間での共有

担任だけが計画を知っているのでは不十分です。教科担任・特別支援教育コーディネーター・管理職・支援員など、その子どもに関わるすべての教職員が計画の内容を把握できるよう、共有の仕組みを作ることが重要です。

学期ごとの見直し

個別の指導計画は、学期末に必ず評価・見直しを行います。目標が達成されたか、指導方法は有効だったか、次の学期に向けた課題は何かを整理し、次期の計画に反映します。見直しには本人・保護者も参加することが理想です。

進学・転校時の引き継ぎ

小学校から中学校へ、あるいは転校の際に、これまでの支援の記録が引き継がれることが重要です。個別の教育支援計画は、こうした引き継ぎの場面で特に力を発揮します。支援の継続性を確保するために、引き継ぎ資料として積極的に活用しましょう。

合理的配慮との関係

合理的配慮の内容は、個別の教育支援計画・個別の指導計画に明記することが推奨されています。「テストにふりがなを付ける」「解答時間を延長する」「タブレットでの回答を認める」といった配慮内容を計画に記録することで、担当者が変わっても同じ配慮が継続して提供されます。

合理的配慮の実践をツールで効率化

個別の指導計画に記載したふりがな付与・音声読み上げといった合理的配慮は、E-eduのツールで効率的に実践できます。教材準備の負担を減らしながら、計画通りの支援を継続できます。

E-eduのツールを見る →

まとめ

個別の教育支援計画は長期的・多機関連携の視点で子どもを支えるための計画、個別の指導計画は学期単位の具体的な指導の設計図です。どちらも本人・保護者の参加のもと作成し、関係者間で共有し、定期的に見直すことが重要です。計画書を「書くだけの書類」にせず、日々の支援と連動した「生きた文書」として活用することで、一人ひとりの子どもへの支援の質が高まります。